新潟県胎内市は胎内川を中心に、海・山・里が一体になった美しいふる里です。

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料亭 南都屋

登録有形文化財の料亭で味わう新潟の滋味

創業江戸末期。時がゆるやかにながれていた時代の趣をそのまま残すお部屋にて、地の旬が際立つ滋味深いお料理を頂けます。海と山に囲まれた地の利を活かし、6代に渡って受け継がれてきた「南都屋の味」。かつて、新潟を代表する歌人・会津八一も足しげく通ったと言います。平成29年7月21日に国の登録有形文化財に認定。また昨年は、『ミシュランガイド新潟2020特別版』にも掲載されました。

※以下は『カメラ女子 in たいない』による取材記事です※
お伺いしたのは2021年6月。価格等の情報は取材当時のものです。


 

 

本町をそぞろ歩いていると、「なまこ壁の印象的な建物、そして対面にある黒塀の通り」で誰もが足を止めます。

 

ここは江戸時代の街道筋。

旅人たちで賑わっていた時代の面影を残す、趣ある黒塀を辿っていくと石畳、そして、風格のある玄関にたどり着きます。

 

 

 

 

料亭、南都屋。

江戸末期に浜で獲れる魚を商っていた「魚五(うおご)」という魚屋がそのルーツです。

 

やがて二階で刺身やお酒を提供するようになり、往来を眺めながら旬の魚に舌鼓を打つことが、この辺りの人たちの粋な楽しみになっていきました。

 

 

 

 

魚五が南都屋となり、料亭として現在の建物を構えたのは昭和4年頃。

 

「造作材に米松や地松の良材を用い、洗練された意匠の料亭建築」と特徴にうたわれていて、平成29年7月には国の登録有形文化財の認定を受けている、その格式ある建物に・・・

 

今回は“カメラ女子 in たいない”として、取材に入らせてもらうことになりました!!

 

 

 

 

玄関に立ち、荘厳な雰囲気に思わず尻込みするカメラ女子に「いらっしゃいませ、ようこそおいでくださいました!」と明るく出迎えてくれる声。

 

6代目女将の須貝洋子さんです。

 

「お気兼ねはいらないんですよ。どうぞどうぞ、上がってください」

 

凛としながらも朗らかな雰囲気をまとう女将は、ガチガチのカメラ女子を優しくエスコート。よ、良かった・・・!初の料亭取材、何気に緊張していたんです~!

 

 

 

 

「料亭って言われると構えちゃいますよね(笑)。こちらは中の間。大小それぞれ5つのお部屋があるんですけど、今日はお天気が良いのでお庭を見ながら召し上がって頂こうと思って」

 

きゃーっ♡ 素敵ーっ♡♡・・・ちょっとお庭出てみていいですかぁ??!!

なんて、修学旅行生のようなテンションではしゃぐカメラ女子にも女将はニコニコ。

 

「あ、じゃあ窓は開けっ放しにしちゃいましょうね!」という神対応に感動しました。

 

 

 

 

 

 

いいなぁ・・・癒されるなぁ♡ 苔生すお庭の景色を貸し切りなんて、贅沢すぎます!

 

「日本文化が凝縮された空間は、料亭の特徴でもありますからね。お部屋の中にも、いろんな文化・芸術が隠れているんですよ。ちょっとこちらをご覧ください」

 

 

 

 

「昭和初期、画家・藤本雅堂の作品です。先生はここを気に入って何度もお越しになり、飲食代の代わりに屏風や襖、欄間などに何点も絵を残していかれました。今も随所にご覧いただけるんですよ」

 

飲食代の代わり(笑)!なんだか古き良き時代の気配を感じますね。

 

「そうでしょう?こちらのお部屋には、会津八一先生の書も掲げております」

 

 

 

 

「昭和二十年頃、父方の親戚がある中条に疎開していた会津八一先生も、南都屋を頻繁に訪れてくださいました。このお部屋で束の間、寛いでいかれたと聞いています」

 

新潟を代表する歌人、会津八一の書があるとは聞いていましたが、やはり本物を目の前にすると胸に迫ってくるものがありますね!

 

「文人墨客に愛された、というのも有難く、光栄に思います。こういった風景や作品の数々も、お食事とともにお楽しみ頂きたいです」

 

 

 

 

さて、それではいよいよお食事を、と楽しみに待っていると・・・

うわーっ!やっぱりすごいお料理でてきたーっ!!

 

目の前に運ばれてきたのは、つややかな塗りのお重。蓋をあけると、色とりどりの食材が鮮やかに並べられています。ひとつひとつが光輝いていて・・・本当に宝石箱みたいです!!

 

 

 

 

 

「日本料理は目でも楽しんでもらえるお料理ですので、彩りよく旬のものをたくさん盛り込んでお出ししています。地の食材が持つ力を引き出すには、塩や醤油、味噌などの調味料も地のものが基本。海と山に囲まれた地の利に感謝しながら、つねに心と技を尽くしています」

 

丁寧に手間をかけて造られたお料理は、それ自体が喜んでいるようにも感じます。

南都屋が目指す「滋味」の言葉通り、豊かで奥深い味がしました・・・!!

 

(写真はランチメニュー『松花堂弁当』3,630円)

 

 

 

 

 

 

「お部屋は他にも、掘りごたつ式の“前の間”や、20名様ほどで利用できる“奥の間”など、用途によって様々な形でご利用いただけます。お食事後に、それぞれのお部屋の料亭建築をご覧になる方もいらっしゃいます」

 

どのお部屋もとっても素敵!

私たちカメラ女子の世代も、いつかここを利用できる日が来るかなぁ~なんて夢見てしまいます。

 

「いえいえ、今すぐ気軽にご利用いただけるお部屋もあるんですよ!次は、ランチ専門の別館をご案内しますね」

 

 

 

 

 

「こちらは南都屋の離れ別館、“桜亭”と言います。土日限定で一日10名様までなんですが、『四季の胎内いろどりランチセット』を1,650円で提供しています」

 

解放感あふれるオシャレなお食事処で、日本料理が1,650円?!

 

 

 

 

 

 

“銀鮭の酒粕漬け”や“地鶏のうま煮”、“身欠き鰊の甘露煮”や“真鯛の昆布〆”のお造りなど、どれも本格的な日本料理のお品ばかり!

ご飯、お味噌汁、デザート、凍頂ウーロン茶も付いて・・・本当に1,650円で良いんですか??

 

「私も破格だと思います(笑)。もともとランチを始めたきっかけが、若い方々にも和食を知って欲しい、日本料理を気軽に味わって欲しいと思ったからなんです。お昼の短い時間でも、和の文化を楽しんでもらえたら」

 

 

 

 

季節の風情を感じながら、奥深い味わいに舌鼓を打つ。ものすごく贅沢な過ごし方ですね・・・!

 

「ご利用の2日前までにご予約をお願いします。予約の電話は私が取りますし、今度は緊張しないで来られそうでしょう?」

 

はい!ものすごく心強いです♡

友達や家族を連れて、季節ごとに訪ねて来たいです!!

 

 

 

 

「歴史ある中条の町並みや文化・芸術を残し繋いでいくのも、私たちの役目と考えています。どなたさまもお気軽に訪ねていらしてください。心を込めたおもてなしでお迎えします」

 

非日常の空間で料亭ならではのおもてなしを受ける心地よさは、一度体験したら忘れられません!
みなさまも是非、軽やかな気持ちで、南都屋の門をくぐってみてください♪

 

 

施設情報

住所胎内市本町4-18
TEL0254-43-2016
営業時間昼の部 11:30~14:00(最終入店 13:00)/夜の部 17:00~22:00 (最終入店 20:00)
定休日月曜