五十嵐こうじ屋
昔ながらの製法で作られた、無添加手づくりの味噌・こうじ・甘酒
新潟産コシヒカリと大豆を使用し、安心と手づくりにこだわった美味しいお味噌が人気。一粒一粒心を込めて造られた自慢の糀(麹)が醸し出す、豊かな味わいを是非一度ご賞味ください!
※以下は『カメラ女子 in たいない』による取材記事です※
お伺いしたのは2020年12月。価格等の情報は取材当時のものです。
発酵食品ブームが、かれこれ10年ほど続いています。
きっかけは、「塩こうじ」が新しい発酵調味料として話題になった頃から。
美容ブームや健康志向の高まりに乗って、様々なメディアで取り上げられるようになり、2013年に「和食」がユネスコの無形文化遺産になって、広く海外からも注目されるようになりました。
ただ、発酵食品がお肌に良い、腸内環境に良いとは聞くけれど、実際それがどうやって出来ているのかはよく知らない・・・。
今さらだけど、いや、このコロナ禍の今だからこそ、体に良いことを考えていきたい。
正しく知って美味しく食べて、免疫力を上げていきたい!
というわけで、今回はその道のプロ、五十嵐こうじ屋さんを訪ねてお話しを伺うことにしました。菌活初心者のカメラ女子による、発酵食品見学ルポです!!
五十嵐こうじ屋は、胎内市で175年続いている老舗の味噌・こうじ屋さんです。
胎内小学校前の大きな通り沿いにある青い看板が目印の直売店で、本日のナビゲーター、7代目ご主人の五十嵐篤さんと待ち合わせました。
「工場はここからすぐなんですよ。でもちょっと分かりにくい所にあって、説明するのが面倒だからこの売店を建てたんです(笑)」
次々に新しいことに挑戦している7代目は、かなりユニークで面白い方!これからのご案内が楽しみです♪
車で3分、大通りから奥の住宅地に入って行ったところで工場に到着。
さっそく中へ案内してもらうと、戸を開けた瞬間にふわっと甘い香りに包まれました。
「これがこうじの香り。うちは米味噌だから米こうじなんだけど、発酵する過程で米の中のデンプンがブドウ糖に変わるから甘くなるのね」
甘味料なしでこんなに甘い匂いがするなんてびっくりです!こうじの甘さってすごいんですね・・・!!
「じゃあ、そのこうじを作るところからお見せしましょう。まず蒸したコシヒカリに、種になる“こうじ菌”を付けて、高温多湿の部屋で寝かせます。お布団いっぱいかぶせて子どもみたいに大事に大事に育てる」
真っ白な布で何重にもくるまれたお米は、まるでベッドで寝ている赤ちゃんのようです(笑)!
「仕込みから二日目に、“へぎ”っていう木の容器に移して、まんべんなく菌が行き渡るように何回もほぐしてやる。こうじは生き物だから、こうして手を入れてあげないと拗ねて固まるの」
聞けば、この工程では頻繁にこうじの様子を見るために、寝ずの番をするのだとか!
まさに夜泣きをする赤ちゃんのお世話のようですね・・・。
「そうやって手塩にかけて育てると、一粒一粒にキレイな花が咲いて、力のあるフワフワの米こうじになる。見てよ、どの子も可愛いでしょ」
こうじに“糀”という漢字があてがわれるのは、文字通りお米にこうじ菌の花が咲くからなんですね!
こうじは生き物。大切に育てるほど美味しく、良い仕事をするようになる。
なんだかこうじに対して愛おしい気持ちが湧いてきました・・・。
「フフフ、そうでしょう?4日かけて出来上がるのがこの生こうじ。乾燥こうじみたいにに水で戻す必要がないから、このまま使えます」
自宅で一から味噌や甘酒、塩こうじを作ってみたい!という方はこちらをお求めください、とのこと。
(夏場はこうじの製造が出来ないため、7月~9月は販売なし)
チャレンジしてみたいけど・・・恥を忍んで言います、そもそも味噌の作り方がよく分からない!
「うん!普通はそんなもんだよね(笑)。じゃあ次は味噌の製造工程を説明しますね」
「米味噌の原料は大豆と米こうじと塩。大豆は釜で炊いて柔らかくしてから擦りつぶす。それに、米こうじと塩を混ぜ合わせて発酵させる。どう?簡単でしょ?」
いまサラッと釜で炊く、とか簡単じゃないこと言いましたよね・・・。
「自宅でそこまでする必要はないよ。薪を使って和釜で炊くのは味噌屋のこだわり。アクが抜けて雑味のない味噌に仕上がるからね」
なるほど。作り方はシンプルだけど、製法にこだわるほど美味しいものが出来るということですね。
「それが味噌づくりの奥深さだよね。でも、基本は仕込んだこうじが勝手に仕事して味噌を作ってくれるんだから、自然発酵の力ってすごいでしょ?低温でゆっくり、季節によって半年~10か月くらい熟成させると食べ頃になる」
「味噌は同じ原料、同じ作り方でも置いておく場所によって味が変わるの。うちは熟成する前の仕込み味噌も販売してるから、それぞれのおうちで手前味噌を育てるのも面白いよ」
置いておくだけで“我が家の味噌”が出来上がるのは嬉しいですね!菌活初心者としては、その辺からが入りやすいかも・・・。
「そうそう。そのうち“こうじ歩合”とか塩加減が気になってくるから(笑)。売店の完熟味噌で、商品による味の違いを試してみて下さい」
というわけで、最初の売店に戻ってきました。
ここでは商品の購入はもちろん、試食やイートイン、ちょっとした休憩ができるようになっています。
「十割とか十二割っていうのは、大豆とこうじの割合です。こうじが多いほど甘味とコクが増していく。ちなみに三四郎っていうのはうちの屋号なんだけど、大豆10に対しこうじ16の十六割味噌」
お言葉に甘えて味比べをさせていただきました。
いわゆる“越後みそ”というのが十割の『田舎味噌』。具だくさんのお味噌汁に合いそうなシンプルな味わい。
十二割の『糀味噌』は、だしの風味を引き立てる上品な味!
こうじの旨味が一番感じられるのは特別醸造の『三四郎』。それぞれ全く違います!!
「“こうじ歩合”は好みだからね。試食して決めてもらうのが一番良い。ここでは量り売りもしていて、パッケージされているのよりちょっとだけお得だよ(笑)」
売店では7代目のお母さまがお店番をされているので、詳しい商品説明をしてくれます。
イートインで『糀の甘酒』や『豆乳入り甘酒』、甘酒シャーベットの上にソフトクリームを乗せた『甘酒アイス』などが楽しめて、お買い物がてらちょっと一息つくことが出来る♪と好評なのだそうです!
「商品のこだわりとか、声高に言うのはあんまり好きじゃないんだけど、まあ安心・無添加・手づくりっていうことですかね。大豆と、こうじにするコシヒカリは新潟県産です。胎内市の学校給食にも店頭販売用の味噌と同じものを卸してます」
ちょっぴりあまのじゃくなご主人は控えめにそう言いますが、見学の途中から、商品に対する並々ならぬこだわりと愛情を感じていたカメラ女子。
SNSで情報発信したり、本格的なホームページを立ち上げたり・・・本当はものすごく活動的じゃないですか!
「今まで誰もやってこなかったから、オレ大変なのよ!売店の看板も自分で作ったんだよ?」
めちゃくちゃ器用ですね(笑)!
そのアイディアとユーモアで、7代続く老舗の歴史に新風を吹き込んでいる五十嵐篤さんは、地元の学校で味噌づくりの講師をされたり、伝統料理“飯寿司”の教室を開かれたりと大活躍されています。
発酵の文化を伝え、製法を残していくこと。
それは胎内市で一軒だけになった味噌屋の役目だと仰っていました。
取材を経て、菌活に一歩足を踏み入れたカメラ女子は、毎日のお味噌汁がさらに美味しく感じるようになりました。
みなさんも発酵食品をたくさん取り入れて、新しい一年、元気に過ごしていきましょう!
本年もよろしくお願い致します!!
施設情報
住所 | 胎内市加賀新256-1(直売店) |
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TEL | 0254-44-7771(直売店)/0254-43-2912(工場) |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 月曜、第1・第3日曜 |