新潟県胎内市は胎内川を中心に、海・山・里が一体になった美しいふる里です。

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内山大鍜冶屋

江戸時代から続くまちの鍛治屋さん

創業文化3年、200年続いている地域密着の金物製造会社。「鐵」を主軸にステンレスやアルミなどの加工・溶接を請けおいます。またモノづくりだけではなく、農業資材・工具・園芸用品など生産シーンに必要な商品も取り扱っています。「製造+商社」という強みを生かしてお客さまの様々なニーズに応えています。

※以下は『カメラ女子 in たいない』による取材記事です※
お伺いしたのは2021年1月。価格等の情報は取材当時のものです。


 

 

「あそこに丁度いい階段が欲しい」「ここにはまるサイズの作業台が欲しい」

 

既製品を探し求めてもジャストな形が見つからないとき、昔ながらの鍛冶屋さんに頼むという方法があることを、若い世代はあまり知らないかもしれません。

 

 

 

 

「鍛冶屋というのは何でも屋なんです。作ってくれ、直してくれっていう依頼にすぐ対応するのが仕事」

 

そう話すのは、胎内で200年続く鍛冶屋の専務取締役、内山茂さん。江戸時代からの伝統を受け継いで、新しい挑戦を始めている『内山大鍜冶屋』の9代目です。

 

今回は、普段あまり立ち入ることのできない金物製造の現場を見せてもらいながら、鍛冶屋のお仕事ってどんなもの?というぼんやりした疑問を解き明かしていこうと思います!

 

 

 

 

 

「ではまず、鍛冶屋でイメージしやすい所からご案内します。あまり見つめないようにして下さいね」

 

火花を散らしながら溶接するシーン!テレビなどではよく見ますが、実際にその音を聞いたり匂いを嗅いだりしたのは初めてです・・・!!

 

直角を測って、Lアングルをつなぎ合わせているようですが、これは何になっていくんでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

「工場や建設現場で使用する産廃ボックスです。Lアングルで作った枠に鉄板をはめ込んで閉じ、開口部を作って完成です。素材やサイズ、開口部は横とか上とか、お客さまによって希望の形が異なるものなので、それに合わせたものを造ります」

 

既製品では叶わない細かい要望が、鍛冶屋さんなら叶うというワケですね!

 

 

 

 

「そうです。例えばコレは、特殊な障害物を跨ぐのにどうしても専用の階段が要るということで造ったものです。安全対策のために手すりも必要でこういう形になりました」

 

なるほど!一見しただけでは何の道具か分かりませんでした(笑)。

手すりの形状も、子供から大人まで誰でも使える様に考えられいます。まさにオーダーメイドならではのデザイン!

 

 

 

 

「次にご覧いただくのは、パイプを曲げる機械です。先程の階段の手すりもそうですが、製品ごとにパイプの材質、太さ、曲げたい角度が異なります。思い通りのパーツを造り出すためには材質の特製を理解して扱う必要があります」

 

熟練した加工技術がいる工程ですね・・・。パイプを曲げて造る製品としてはどんなものがあるんでしょう。

 

 

 

 

「昔からの看板商品、一輪車です。見てもらうと分かる通り複数のパイプが結合して出来ています。ひと口に一輪車と言っても用途によって様々な形があるんですよ」

 

確かに、製品によって骨組みが全然ちがう!意識して見れば見るほど、パイプの曲がり具合や結合部の溶接が気になってきますね(笑)。

 

 

 

 

「以前は女性の職人さんも多くいたそうです。女性ならではの繊細な感覚は溶接にも向いているんじゃないでしょうか」

 

そう言われれば、“工業女子”や“溶接女子”っていう言葉があるくらいだもんなぁ・・・。現場を見せてもらって、私もかなり興味を惹かれました!

 

一輪車が昔からの看板商品ということですが、創業からの沿革を教えてもらえますか?

 

 

 

 

「創業当時の江戸時代は刀鍛冶であったと言われています。大正時代にリヤカーや一輪車などの運搬車を造り始め、昭和に入って農耕用の水田車輪やトレーラーを製造するようになった。新潟で鍛冶屋というと農業との関わりが強くなるので、近年になって農業資材の卸売りもするようになったんです」

 

 

 

 

「卸先は主に農協様ですが、他にもやり取りのある企業様もいます。店頭にはまず置いていないようなニッチな商品も扱っていて、“これが欲しい!”という声にすぐに対応できるようにストックしています」

 

モノづくりと商社の機能が合わされば、既製品とオリジナル製品を組み合わせた提案もできそうですね!

 

「そうです。売るだけじゃない、造るだけじゃないというのが私たちのモットー。1+1を3にも4にもできる存在でありたいです。そのために他業者さんとの連携も密に取っているんですよ」

 

 

 

 

こちらは、今年度の『胎内イルミネーション・癒しのスターライト』のひとつ、乙地区の“光の塔”。

 

「国の重要文化財である乙宝寺の三重塔を模して、電飾をするための枠を造りました。地元の電気工事会社、菅原電気工事さんとは、イオンモール新潟南のイルミネーションも一緒にやらせてもらってます」

 

かなり大がかりなイルミネーションですが、設置も含めて大変な作業だったんじゃないですか?!

 

「“造って”と言われればなんでも造るんですよ」と笑って、内山専務は続けました。

 

 

 

 

「昔から、お客さまが望むモノを造り出す、というのが鍛冶屋の仕事。それも一からではなくゼロから造るわけですから遣りがいがあります。難しいことを叶えて形に出来たときが一番嬉しいですね」

 

『フットワークが軽い地域のお助けマン』。

材を終えて思い浮かんだのはそんなフレーズでした。

 

今回、新たな展開を準備中だというお話も聞けたので、引き続きその活躍を追い続けていきたいと思います!

 

 

 

 

 

 

施設情報

住所胎内市本郷町5-46
TEL0254-43-3171
営業時間8:00~17:00
定休日日曜祝日・第2第4土曜